『北朝鮮でロックする!!』に脱帽する!!
爆風スランプのドラマー、ファンキー末吉さんが北朝鮮の女学生にロックを伝授するというドキュメンタリー。ファンキーさんは天安門事件の直後、若者にロックを伝えようと1990年から北京に拠点を移して活動しているんだそうな。女子十二楽坊のアルバムにも参加しており、今では中国映画のサントラも担当したりしてるらしい。
中国と言えば2002年に『KILL BILL』の撮影で北京に行った時、
空港で出演バンドのTHE 5.6.7.8'sの楽器が没収された事を思い出すな。
あの時の空港の係員の男のまるで悪人顔、忘れられない…。
異文化に対する警戒心というより、銭稼ぎにしか受け取れなかったけどな。
でも思い返せば日本だって、ビートルズやグループサウンズが全盛の3~40年前の頃、
バンドをやれば不良扱いだったり、特にロックに対しては否定的だった。
僕でさえ、中学生の頃に学校放送でザ・フォーク・クルセダーズの「帰って来たヨッパライ」を掛けて、先生から非道徳的だと叱られた事もあったし、高校時代には音楽イベントに出演許可をくれない教頭に涙で抗議をした事もあった。
今の中国や北朝鮮が未開に見えても、ちょっと昔の日本も似たようなもんだ。
未だ改革の欠片も見えない御時世の北朝鮮に行こうと思った事も大胆だけど、
それにしてもよくぞビザが降りたものだ。
ロックやフォークは迫害を受けた者や反体制の象徴としても受け取られていた。
そんな歴史を持つ音楽が簡単に受け入れられるものなのか?
というより、そんな事すらもこの国には認知されていないんだろうな…。
驚いた事に、公園で宴会をしていた家族が皆、「瀬戸の花嫁」を日本語で知っていた。
ファンキーさんが学校を訪れた時にも少女たちが「夕やけこやけ」を日本語で歌っていた。
日本語の歌を歌う事自体が反体制と見なされそうなぐらいの国柄に見えるんだけどな。
そして女学生の使っていたエレキギターの弦が3本しか張られてなかったり、
ドラムのパッドがベコベコだったり、学校の貧しい状況が悲しかった。
(あれ? でも僕らが学生の頃には学校にエレキギターなんて置いてなかったぞ~(ToT)
それでも他国の文化を比較して見る事すら知らない女学生らは素直で健気だ。
彼女らの為に曲を作り、今まで知らなかった演奏法を教えるファンキーさんはまさに神様だ。
ギターの少女はチョーキングやタッピング奏法を北朝鮮国内で初めて演奏した人となった。
おまけにテクニックの習得の速さにも驚かされた。
国の体制や管理する者がイカれていても、そこに暮す人々には罪はない。
閉ざされた国の若者らに新しい事を知る喜びや青春を与えたい、
そう願って活動を続けるファンキーさんに脱帽っす。


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| 鑑賞 | 23:19 | comments:3 | trackbacks:1 | TOP↑
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