
今日は府中市総合体育館で一日中、バスケットの試合シーンの撮影。
実際の試合はゴールにボールを入れる事が目的なのだが、
ドラマ上の試合シーンの撮影では逆に外す事も目的となる。
それもただ単純に外れれば良い訳ではない。
次のリバウンドなど繋がりの展開のためボールの方向や強さがシビアになってくる。
スマートにゴールにボールを入れる事よりも手間が掛かっていた。
バスケット・ゴールの寄り(アップ)の撮影では
基本は現役経験者の代役がボールを投げるのだが、
今日は不思議な現象を見た。
経験者だとゴールに入らないボールを投げるつもりでも入ってしまうのだ。
入らないのが目的なのに何度もゴールイン状態が続いた。
ゴールを外すという訓練などしてもいないのは勿論、
撮影という緊張が加わると、本人は外そうと思っても
逆のコントロールが効かなくなる人もいるんだな。
アクションバトルをやらせたら加減が効かないタイプだったりして?
メイン・キャストはリアルが求められ、
パスからシュートまでのシーケンスが上手く決まるまで何度もテイクを重ねた。
木島役の僕にも2度のスリーポイント・シュートのシーンがあったのだけど、
タイトなスケジュールの中では全てに拘っては貰えない現状もあった。
二度目のシュートのくだりでは、
僕が5回ほど投げても決まらない段階でシューターをチェンジされてしまった。
他のキャストは成功するまで十数回と撮ってたというのにさ。
もう少し待って貰えたらゴールに入れられる自信はあったんだけどな…
何度やっても言えないセリフが他の役者に変更されたのと同じようなもんだ。
顔には出さずにいたつもりだったけど、正直、ヘコんでた。
中学時代のバスケ部で選手に選ばれなかった自分がフラッシュバックした。
「もうバスケットボールなんか触りたくない…」
すぐにヘソを曲げそうになる小さい自分が顔を覗かせた。
「そもそも役者だって自分には向いてない…」
ネガティヴになると何処までもモチベーションは落ちていく。
監督が僕を察して何度か詫びに来た。
退去時間までには予定の撮影分を撮り切らなければならないから、
何かで合理的にしなければならないのは言われなくても分かってるよ。
ただ自分が悔しいだけさ。
与えられた時間にスマートにシュート(芝居)を決められなかった事が。
でも今まででも十分なぐらいリアルなカットも撮って貰えてる。
プロでも難しいミラクル・シュートも撮れてる。
それに僕らはドキュメンタリーを撮りに来てるのではない。
映像ってのは本来はカット(断片)の羅列こそが基本なのに、
拘り出すとゴマカシの無い本物(リアル)を求め出すから始末に終えない。
これが長いセリフのシーンを1カットで撮ると言われたらビビるくせにね。
この日で試合シーンの撮影は全て終わった。
もう木島の見せ場はないのか?
いやいや、まだ諦めるのは早いぞ…
最終日に撮る予定の出会いのシーンで木島はシュートを投げている。
チャンスはまだ残されている?
これが最後で最初のチャンス!?
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