
鳥取ロケ2日目の午前中がフリーだったので、朝食後に思い立ち、
ループ麒麟獅子 砂丘号という周遊バスに乗って鳥取砂丘を目指した。
約25年前にそこを訪れた自分が懐かしくなったからだ。

砂丘センター展望台のバス停で降り、展望台の昇ってみたのだが、
季節外れなのか、時間が早いのか、そこには誰も居らず、ちょっと寂しい雰囲気。
砂の美術館も会期を終えていて、壊れかけた砂のモニュメントが更に追い討ちを掛けた。
いやいや、僕は退廃的な感傷に浸りに来たつもりはないんだ。

リフトに乗って砂丘に下り、取り合えず歩いてみた。
展望台から見下したイメージよりはやっぱり広い。
嘗てビデオカメラを担いで歩くのがシンどかったのを思い出した。
馬の背という場所に登って、何枚か写真を撮ってみたのだが、
この場所を一枚の写真で納めるのはとても難しい。
撮り方を間違えると写真では只の砂浜にしか見えないのだ。
ここはムービーで撮らなければ伝えられない場所、
というより、足を運んで自分の目で確かめる景色なのかも知れない。

25年前の旅で初めて持ったビデオカメラで鳥取砂丘を撮ったのだけど、
何よりも悔しかったのは、自分が映像に映ってなかった事だった。
そりゃそうだ、カメラを持っていた人間が映る筈がない。
それから何度か仲間で各地を旅しては、ビデオ映像を撮っていたのだけど、
自分自身を上手く撮って貰えない事にフラストレーションがあったんだよな。
その衝動が自分を被写体としての役者に向かわせたのかもしれない。
きっと僕の俳優願望はこの鳥取砂丘から始まっていたのだ。
傍にいた若者から声を掛けられ、僕に気が付いたのだなと思ったら、
彼自身の記念写真を撮る為にシャッターを押して欲しいというお願いだった。
またしても、ここでカメラマンを任されてしまった自分…
それにしても、再びここに訪れた事のお土産が何か足りない。
見上げると空は濃い雲に覆われていたので、
せめてこれが青空になってくれないかと祈ってみた。
すると雲は北東に流れ始め、晴れ間が遠くからこちらに向かって来て、
幻想的なグラデーションのライティングで砂丘を照らしてくれたのだった。
ここぞと思って、デジカメを起動させたらバッテリー切れ。
ここから見えた素敵な光景を納める事が全く出来ずに終わってしまった。
鳶と一緒に並んで飛んでいるグライダーも素晴らしかったよ。
帰り道に振り返るとANAの旅客機が砂丘に向かって飛んできて、
それはまるで特撮映像のような色合いで面白かったよ。
もう一度ここに来て、本気で何かを撮ってみたいと思わされたな。
とにかく僕のモーゼ的な晴れ男の力を再確認する事が出来た。
明日の収録は天気が命のシーンなんだけど、
自身を持って、僕がいるから大丈夫と啖呵を切ってしまったぜ。
神様、明日の僕らをお守り下さい…
最後の最後は神頼み。
◀◀ クリックして応援してね! 


⇒ 小林夏樹 (02/04)
⇒ 神村武幸 (01/29)
⇒ 木内育江 (01/29)
⇒ かとう (01/29)
⇒ 江上真悟 (01/29)
⇒ もうちゃんママ (01/29)
⇒ あーる (06/08)
⇒ ひま母 (04/01)
⇒ 9600クラブ (03/26)
⇒ WorldVentures (03/25)